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どのようなステンレス材の切削工具の実績がありますか?

「特殊精密切削工具.com」のステンレス製切削工具は、医療向けが大半を占めています。

特に、医療用術具においては

  • マルテンサイト系ステンレス鋼のSUS420J2
  • 析出硬化系ステンレス鋼のSUS630

の実績が多いです。医療用術具は人体に使用されるため、特に耐食性が要求されます。また、人体の部位によっては硬度も必要になります。硬度を必要とする場合はSUS420J2、低い硬度(HRC43程度)でも良い場合はSUS630を使用しています。

ステンレス鋼は炭素量が少量である程、耐食性が向上します。更に、クロム量が18%前後だと耐食性向上に最も良い量であり、16%以下になると劣化が始まり10%以下になると急速に劣化します。また、表面保護被膜を作って耐酸化性、耐食性を向上させます。SUS420J2、SUS630の成分と硬度(HRC)を表したものを下記の表に示しています。

系統 材質 化学成分(%) 硬度(HRC)
C Si Mn P S Cu Ni Cr Nb
マルテンサイト系 SUS420J2 0.26~0.40 1.00以下 1.00以下 0.04以下 0.03以下 12.00~14.00 50~54
析出硬化系 SUS630 0.07以下 1.00以下 1.00以下 0.04以下 0.03以下 3.00~5.00 3.00~5.00 15.00~17.00 0.15~0.45 40~44

上表の通り、SUS420J2はSUS630に比べ、炭素量が多く、クロム量が16%以下のため、錆びやすいです。また、SUS420J2はSUS630よりも硬度(HRC)が高いため、硬度を必要とする場合に使用されますが、錆びやすいため、不動態化処理を行って錆びにくい状態にしています。それに比べ、SUS630はSUS420J2よりも炭素量が少なく、クロム量が18%付近であるため、錆びにくいです。更に、SUS630はニッケルを含んでおり、クロムと併存した場合、耐食性は更に向上します。

ステンレス材の切削工具に関して何かお困りの際は、一度、当社までお問い合わせください。

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