技術コラム

- Column -

  • TOP
  • 技術コラム
  • 超硬合金とは?材質の種類・特徴・ハイスとの違いまで解説

超硬合金とは?材質の種類・特徴・ハイスとの違いまで解説

超硬合金とは?

超硬合金は、タングステンカーバイド(WC)とコバルト(Co)を焼結して作られる合金です。その最大の特長は、非常に硬い材質であることです。ダイヤモンドに次ぐ硬さを持っていると言われています。用途としては、切削工具のチップなどに使用されます。

 

超硬合金の製造方法について

【粉末冶金法】

粉末冶金法とは、製造される合金の成分材料を粉末状に作り、適量を取り配合混合し、一定の形に圧力をかけ固め、還元性気流中で加熱して焼結させて合金を製造する方法です。超硬合金は、成分粉末として主成分であるタングステンカーバイト(WC)と結合相としてコバルト(Co)が使用され、配合混合し、加圧と焼結によって合金に作られます。

超硬合金の材質について(種類と特徴)

切削用超硬質工具材料は、被削材によって大きく 3 つに分類されます。3つのアルファベット記の記号と識別色により区別されます。

■K 種(赤色)

①成分:WC-Co(タングステンカーバイト-コバルト)

②適用被削材:鋳鉄や非鉄金属

③特性:炭化タングステンの含有量の多い K 種は、その他の添加物の多い P 種・M 種と比べて素材自体の靭性・耐摩耗性は高くなります。靭性や機械的損傷に優れています。

■P 種(青色)

①成分:WC-TiC-TaC-Co(タングステンカーバイト-炭化チタン-炭化タンタル-コバルト)

②適用被削材:鋼や合金鋼などの一般的な鋼材

③特性:タングステンカーバイト(WC)とコバルト(Co)のほか、炭化チタン(TiC)や炭化タンタル(TaC)を加えた合金で、耐熱性や耐溶着性に優れ、熱的損傷にも強いです。

■M 種(黄色)

①成分:WC-TiC-TaC-Co(タングステンカーバイト-炭化チタン-炭化タンタル-コバルト)

②適用被削材:ステンレス鋼

③特性:炭化チタン(TiC)と炭化タンタル(TaC)を適度に含ませることで、熱的損傷と機械的損傷の両方に強い特性を持ち、P 種と K 種の中間的な性能を持ちます。

 

特に当社で扱っている超硬材種について

K10

①成分:WC- Co(タングステンカーバイト-コバルト)

②特性:高い靭性と耐摩耗性を持っています。

③使用用途:鋳鉄、調質鋼、アルミニウム合金などの一般フライス加工に適しています。

A1

①成分:WC-Co(タングステンカーバイト-コバルト)微量元素チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)

②特性:高い靭性、耐摩耗性を持っています。

③使用用途:多様な用途に適していて、特に金型パンチ素材に使用されます。

 

設計~熱処理~製造まで一貫生産対応

特殊精密切削工具.comでは、熱処理から工具の加工まで、責任を持って対応するべきだと考えているため、熱処理設備を自社で保有しております。

熱処理とは金属を加熱・冷却することで生じる組織変化を活用し、素材の性質(強さ・硬さ・粘り・耐衝撃性・耐摩耗性)を向上させる処理方法です。

ハイスは特に炭素の含有量が高く、またバナジウムなど硬い炭化物を生成する元素を多量に含んでいるため、熱処理によって歪みが起きやすいという特徴があります。このような理由から、ハイスの性能を充分に引き出すためには熱処理方法の選定が非常に重要になります。

特殊精密切削工具.comでは、自社で各種熱処理設備を保有しております。

具体的には、

  • 大気式電気炉1台
  • 熱風式電気炉1台
  • 塩浴式電気炉4台
  • 熱処理後の洗浄装置、温度校正炉等

を保有しております。

>>>当社の熱処理設備について詳しくはこちら

>>>当社の特殊ハイス工具・設計・製造サービスについて詳しくはこちら

超硬合金工具の実績

工具寿命2倍!極小ノーズRで高精度仕上げ加工【溝入れバイト】

特殊精密切削工具.comは、お客様が仕上げ加工で抱えていた「工具寿命の不安定さ」と「高精度加工のための極小ノーズR」という二つの課題を解決しました。切りくずの流れを最適化し、最適なスクイ・ニゲ形状を設定することで工具寿命を1.5倍から2.0倍に大幅に向上させ、安定性も確保。さらに、高いプロファイル加工技術により、R0.05程度の極小ノーズRを実現し、高精度な仕上げ加工を可能にしました。株式会社東鋼は、お客様の加工課題に対し、最適な刃型設定で高品質・高効率な加工を提供します。

詳しくはこちら>>

超硬の工具事例一覧はこちら>>

お問い合わせはこちら>>

 

3枚刃リーマ

輸送用機器業界のお客様より、φ6×75の超硬3枚刃リーマの面粗度向上と工具寿命延長のご相談をいただきました。特殊精密切削工具.comは、最適なネジレ角の設定とコーティング付加を提案。その結果、面粗度が向上し、工具寿命も2倍以上に延びました。当社は、被削材の特性や下穴加工工程を詳細に確認し、お客様の目的とする精密部品を効率的かつ高精度に製造するための最適な工具を提案いたします。お困りの際は、ぜひご相談ください。

詳しくはこちら>>

超硬の工具事例一覧はこちら>>

お問い合わせはこちら>>