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総型バイトのメリットとは?当社の事例もご紹介!

総型バイトとは?

総型バイトは、ワークの輪郭に合わせて工具を成形し、押し当てて加工する工具のことです。先端が任意な形状をする総型バイトでは、一回の加工で外周や正面に多様な輪郭形状や複雑な形状の加工を可能にします。

総型バイトの利点とは?

・加工時間の削減

総型バイトは、ワークと同形状で押し当てることができるため、一度に複数部分の加工が可能となります。そのため、使用工具が削減でき、加工時間も減らすことができます。

・つなぎ目のバリ解消

総型バイトは、加工において溝を掘るのではなく、工具を成型し押し当てて加工していきます。そのため、バリが発生せず、より高精度な加工を実現することができます。

 

総型バイトの材種

お客様によって求められる使用条件や使用環境が異なってきます。そこで特殊精密切削工具.comでは、多種多様な業界に納品した実績から被削材に最適な工具材質を選定しております。

①超硬

超硬合金を母材として作られており、旋盤などの切削加工に用いられています。硬度が非常に高いのに加えて、耐摩耗性や耐熱性にも優れています。靭性が低い為、剛性が保てずチッピングしやすいというデメリットがありますが、精度の高い加工に向いている材質になります。

②溶解ハイス

ハイスとはHigh-Speed-Steelの略で、高速度工具鋼と呼ばれています。その一種である溶解ハイスは、鋼にクロムやタングステンなどを加えた材料で高い硬度と耐熱性を持っています。さらに、靭性も持ち合わせているため、欠けにも強く丈夫な工具を作成することが可能です。

これらの特性から、高速・高温での切削加工に適しており、ドリルやエンドミル、タップなどの切削工具や金型に用いられます。

③粉末ハイス

粉末ハイスは、原料となる金属の粉末を型にいれて、熱と圧力を欠けながら焼き固める製造方法が用いられています。一度粉末上にすることで、金属組織が緻密になり、強度や靭性を高めることができます。これにより、鋼材として高い靭性、耐摩耗性、寿命をもった材質となっています。

このような特性を持った粉末ハイスは、高速重切削用の工具など、高い靭性が必要となる工具に適しています。また、溶解ハイスよりも寿命が長いことも挙げられます。

➃サーメット

人工素材として工具や機械部品などに広く使われているサーメットは、「セラミック」と「メタル」を組み合わせたものです。サーメットは、硬度が高く、耐熱性にも優れていますが、特に耐溶着性は大きな特徴として挙げられます。鉄との合性が低い素材であることから、鋼の加工においても高速切削が可能となります。

 

当社の特徴

①「東鋼品質」の工具生産技術

当サイトを運営する株式会社東鋼では、お客様が求める製品形状を元にして総型バイトの製造をしております。その際にポイントとなるのが、被削材に合ったスクイ角を設定し、製品形状からの補正計算をしている点です。製品寸法をそのまま総型バイトに反映させても、実際の加工では様々な切削現象が発生するため、工具形状を転写することはできません。

そのため当社では、製品形状、製品寸法から補正計算を行った総型バイトの設計を行っております。この細かなノウハウこそが、東鋼の総型バイトが多くのお客様から支持されている理由の1つです。

 

②設計~熱処理~製造まで担う精密切削工具の一貫生産体制

一般的な工具メーカーでは、熱処理工程は外注として専門業者に依頼するケースがほとんどです。しかし当社では、外注に任せることなく、社内で責任をもって切削工具を製造するために、塩浴炉を社内で保有しております。

また熱処理のみにとどまらず、特殊表面処理、バレル研磨、ショットブラスト、ガラスビーズショット、電解研磨、不動態化処理、レーザーマーカーまで、当社では様々な工具仕上げ処理工程に対応しております。設計から高精度工具製造、熱処理、仕上げ、検査までワンストップで対応できる点が、当社の強みとするところです。

 

当社の工具事例をご紹介

超硬総型バイト

こちらは輸送用機器業界で使用されるサイズが4×4×50のA1製総型バイトです。現在のバイトでは再研磨出来ずに使い捨てによるコスト過多になっているために、再研磨できる形状を検討して欲しいとご依頼をいただきました。既存バイトはロー付バイトを使用されていたために、特殊精密切削工具.comではソリッドタイプに形状変更提案し、切断再刃付で使用できる形状にしました。形状変更の結果、交換都度新品を頼む必要が無くなったことで、コスト低減に繋がりました。

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超硬ロー付総型バイト

超硬ロー付総型バイトはワークへ切り込むことで刃の輪郭形状を加工物に転写することができるバイトです。超硬合金素材で切削工具を製作すると非常に重量が増えて機械に負担をかけて精度の良い切削加工が難しくなりますが、加工に必要な箇所だけに超硬素材をロー付けすることで、超硬材の使用量が減少することにより軽量化されて機械に負担をかけずに切削加工が出来ます。当社では自動盤、汎用旋盤、NC旋盤など機械に合わせたシャンク設定を致しますので、複雑な形状も一度の加工で輪郭を出すことが出来ることがポイントです。

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総型バイトは特殊精密切削工具.comにお任せください

当社では何が問題になっているのかを正確に把握し、解決に向けた提案を行っています。創業以来積み重ねてきた圧倒的な実績と膨大なノウハウをもとに、徹底したヒアリングでお客様のニーズを深くまで捉えて、最適な工具提案をいたします。お困りの案件がございましたら、ぜひご連絡ください。