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エンドミルの外周すくい角がプラスの場合、マイナスの場合の違いとは?

エンドミルは、どのような工具?

エンドミルとは、外周面及び端面に切れ刃を持つシャンクタイプのフライス工具で、フライス盤やマシニングセンタで使用され、ワークの上面、側面、ポケット、溝等を加工する工具です。エンドミルの形状はドリルとよく似ていますが、ドリルは軸方向に推進し穴をあけるのに対し、エンドミルは軸に直交する方向に移動しながらいろいろな形状を加工をする工具です。

>>エンドミルの基礎知識【切削工具の基礎知識シリーズ】

 

エンドミルの外周すくい角がプラスの場合、マイナスの場合の違いとは?

エンドミルの外周すくい角の設定角度は10°です。

すくい角の角度がプラスかマイナスかにより形状が大きく2つに分類されます。すくい角がプラスの場合はポジティブ形状でポジティブレーキとも呼ばれ、マイナスの場合はネガティブ形状でネガティブレーキとも呼ばれます。

一般的には、切削抵抗が小さいポジティブ形状のエンドミルを使用しますが、高硬度材を加工する際は、刃先強度が高いネガティブ形状のエンドミルが最適です。

詳しくは、外周すくい角がプラス(ポジティブ形状)の場合とマイナス(ネガティブ形状)の場合とをまとめた下表をご覧ください。

 エンドミルの外周すくい角
外周すくい角形状 プラス(ポジティブ形状) マイナス(ネガティブ形状)
特徴
  • 切れ刃が鋭利で、切削抵抗が小さい
  • 低速加工でも良好な面粗さを得られる
  • チッピングが起こりやすい
  • 軟質材の加工に最適
  • 低速加工では切削抵抗が大きく、面粗さが低下する
  • 高速加工では良好な面粗さを得られる
  • チッピングが起こりにくい
  • 高硬度材の加工に最適
被削材  銅、アルミ、ステンレス、樹脂、生材、調質鋼 など  高硬度鋼、鋳鉄 など

 

エンドミルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

>>エンドミルの基礎知識【切削工具の基礎知識シリーズ】

 

エンドミルの加工時に起きるトラブルとその対策について

エンドミルにおけるトラブルは、主に下記の4つが挙げられます。

1.異常摩耗

2.加工面が荒れてしまう

3.切りくずの詰まり

4.バリの発生

詳細は下記をご覧ください。

 

>>エンドミルの加工時に起きるトラブルとその対策について

>>エンドミルに関するよくある質問はこちら

 

加工条件や被削材にあわせて、エンドミルの寿命延長のご提案いたします!
>>特殊エンドミル 開発サービス

 

切削工具に関するお困りごとは、特殊精密切削工具.comにご相談ください

今回は、エンドミルの外周すくい角がプラスの場合、マイナスの場合の違いについて解説しました。切削工具の新規開発や既存工具の改造をご検討の際は、「切削理論」と「材料特性」を熟知している特殊精密切削工具.comにご相談ください。

当社では、創業から80年以上にわたり、お客様のご要望に合わせてオーダーメイドの工具を開発・製造してまいりました。お客様それぞれに世界一の究極の逸品の工具を作り上げることをモットーに最先端設備を揃えており、高精度な加工を実現する環境を整えてまいりました。工業界から医療業界と「人体から宇宙まで」幅広く、精度が必要な工具の納品実績が多数ございます。

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