技術コラム

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ドリルの逃げ角の設定角度【切削工具の基礎】

ドリルを設計する際に考慮すべき事項の一つが逃げ角の設定角度ですが、ハイスであれば何度くらい、超硬であれば何度くらいというように整理はできていますでしょうか。

今回は、ドリルの種類別の代表的な逃げ角をご紹介しながら、逃げ角をテーマに切削工具のプロフェッショナルが基礎から解説します。

ドリルの基礎知識全般について理解を深めたい方はこちらの記事もご覧ください。
>>切削工具の基礎知識【ドリル編】

逃げ角とは?

逃げ角とは、逃げ面についている角度です。

被削材とドリルの摩擦を避け、ドリルの送り運動に支障をきたさないように、切れ刃の逃げ面には逃げ角が付けられています。逃げ角を小さくすると切れ刃の剛性は向上しますが、スラスト抵抗が増加します。反対に、逃げ角を大きくすると切れ刃は鋭利になりスラスト抵抗は減少しますが、チッピングや欠損が生じやすくなります。

なお逃げ角の定義は、平面と円錐面で異なります。

平面の場合は、刃が平行な状態で、先端角分倒した面を基準とし、その基準面から後ろ側に傾斜している角度です。円錐面の場合は、後ろに向けて下がっている角度です。

逃げ角の設定角度

逃げ角は、一般的に7°~15°に設定されることが多いですが、ドリルの種類によって最適な角度が異なります。ドリルの種類別に、代表的な逃げ角の設定角度をまとめたものが下表です。

ドリルの種類 設定角度
ハイスドリル(平面) 第1逃げ角 3°
第2逃げ角 20°~25°
ハイスドリル(円錐) 第1逃げ角 8°
直線刃超硬ドリル(平面) 第1逃げ角 10°
第2逃げ角 20°
直線刃超硬ドリル(円錐) 第1逃げ角 8°~10°
波型刃超硬ドリル(平面) 第1逃げ角 10°
第2逃げ角 25°
波型刃超硬ドリル(円錐) 第1逃げ角 8°~10°

上記はあくまでも代表的な設定角度であり、被削材や加工条件に応じて調整する必要があります。

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今回は、逃げ面の形状について解説しました。切削工具の新規開発や既存工具の改造をご検討の際は、「切削理論」と「材料特性」を熟知している特殊精密切削工具.comにご相談ください。

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