技術コラム

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逃げ面の形状【切削工具の基礎】

逃げ面とは?

逃げ面とは、穿孔する際、加工面との不必要な摩擦を避けるために逃がした面です。逃げ面が複数面からなる場合は、切れ刃に近い順に第1逃げ面、第2逃げ面などといいます。ドリルは回転しながら軸方向に進むことで被削材を削り、切りくずを後方に排出させて穴をあけていきます。逃げ面は、被削材が切削された面に触れる箇所であり、加工時の摩擦抵抗などに大きな影響を及ぼします。

逃げ面の形状

逃げ面の形状は、大きく分けて平面と円錐面の2種類に分類されます。

平面の場合、刃先側の第1逃げ面と、刃先の後ろ側の第2逃げ面で構成されます。平面は中心部付近における逃げ角の確保がしやすいです。円錐面の場合、逃げ面は1つで構成されます。円錐面は平面に比べ、刃先強度が強いです。逃げ面は被削材と接触しないことが重要ですが、必要以上に大きくすると刃先が薄くなり、強度の低下に繋がります。

下記の表は、逃げ面形状の特徴・用途を表しています。

逃げ面形状 特徴・用途
平面 求心性が良く刃付精度が良いため、小径ドリルに適している
円錐面 様々な用途で使用可能であり、一般的なドリルに適している

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