技術コラム

- Column -

ドリルのシンニング形状の種類

ドリルのシンニングとは?

シンニングとは、ドリルの先端部のチゼルエッジに切れ刃を作るために設ける溝のことです。

シンニングは、チゼルエッジを短くすることにより、切れ味を良くして切削抵抗を減らし、切りくずの排出性を向上させます。また、切削抵抗や切りくずの排出性が改善されることにより、ドリルにかかる負荷が低減されるため、ドリルの寿命を延ばします。

>>ドリルの製作事例一覧

>>特殊ドリル開発サービス

ドリルのシンニング形状の種類

シンニングは、形状別で分類することができます。

  • X型シンニング
  • S型シンニング
  • N型シンニング
  • R型シンニング
  • XR型シンニング
  • W型シンニング
  • スリーレーキ型シンニング

それぞれの特徴について、モデル図を交えて詳しく解説します。

X型シンニング

X 型シンニングは、スラスト抵抗を減らし、食い付き性を向上させます。ウェブ厚が大きいドリルに有効で、一般加工や深穴加工に適しています。

S型シンニング

S 型シンニングは、再研磨が容易で先端強度が大きいです。先端角の小さいドリルに有効で、鋼や鋳鉄、非鉄金属の一般加工に適しています。

N型シンニング

N 型シンニングは、チップポケットが大きくなるため、切りくずの排出性を向上させます。ウェブ厚が大きいドリルに有効で、深穴加工に適しています。

R型シンニング

R 型シンニングは、スラスト抵抗を減らし、食い付き性を向上させます。また、切りくずの分断、排出性が良好です。重切削用に適しています。

XR型シンニング

X 型シンニングに比べ、食い付き性は劣りますが、切れ刃強度が高く、被削材適用範囲が広いです。一般加工やステンレス鋼加工に適しています。

W型シンニング

W 型シンニングは、スラスト抵抗を減らし、切れ刃のチッピング対策や切れ刃強度を向上させます。重切削用や高硬度材用に適しています。

スリーレーキ型シンニング

ドリルの先端部分のチゼルエッジがないので、求心性が良好です。ウェブ厚が小さいドリルに有効で、刃先精度が良く、穴精度を向上させます。

ドリルのシンニングに関する技術提案事例

段付きドリルのシンニング形状を見直すことで折損防止

お客様は「使用している段付きドリルの先端部が頻繁に折損してしまっている」とのことでお困りでした。折損の原因は切りくず詰まりによる場合や工具の剛性不足による場合など、様々な原因が考えられます。そのため、折損の原因調査から抑制までお願いしたいとご依頼いただきました。

>>当社の提案内容はこちら

 

ドリルに関するお困りごとは、特殊精密切削工具.comにご相談ください

今回は、シンニングの形状について解説しました。ドリルの新規開発や既存工具の改造をご検討の際は、「切削理論」と「材料特性」を熟知している特殊精密切削工具.comにご相談ください。

当社では、1937年の創業以来、お客様のご要望に合わせてオーダーメイドの工具を開発・製造してまいりました。お客様それぞれに世界一の究極の逸品の工具を作り上げることをモットーに最先端設備を揃えており、高精度な加工を実現する環境を整えてまいりました。工業界から医療業界と「人体から宇宙まで」幅広く、精度が必要な工具の納品実績が多数ございます。

ドリルの開発・設計・製作なら、特殊精密切削工具.comまでお問い合わせください!